レタリングとは

デザインの基礎力を養う文字造形

イメージ豊かな映画やテレビのタイトル文字、ポスターの文字、店舗や銀行などのビルの袖看板。喫茶店のサインボード。格調高く造られた会社名やしゃれた感じの化粧品名などのロゴタイプ。書体でいえば、新聞・雑誌・WEBなどのタイトルに使われる力強く目を引くゴシック体、本文用として可読性を追求した明朝体、また、個性的で新鮮味のある新書体、日本独特の伝統的な書き味を生かした書道風文字、曲線の美しい欧文書体等々、私たちの生活はレタリングに囲まれています。

このように、レタリングとは、伝えたい情報をより印象的で訴求力をもったものにするために、視覚心理的効果を考えて文字の形そのものをデザインすることをいいます。デザインの中では、誰もが親しんでいる「文字」を素材にしているため気軽にとりくみやすいものですが、反面奥行きが深く発展性が高いのが特徴です。読みやすく美しい文字を造りだすプロセスやアイデア展開の方法を学ぶことを通して、さまざまなデザインの分野に対応できる基礎技術を磨き、個々の人間の感性を育てることができます。

レタリングは今日までオリジナリティが特に求められるデザイン業界から高い評価を得てまいりましたが、情報手段のデジタル化が進んだ現在、ベーシックデザインとしてますます重要性を増しています。

検定の目的は、用途に応じた正しく美しく独自性のある文字を書き表す実力を評価することにあり、それによりレタリングを普及し、併せて技術水準を高め、専門職としての社会活動を容易にすることにあります。文字デザイン部門の検定として数十年の実績を重ねてまいりましたレタリング技能検定は、これからを目指す若い方々にとって、格好の登竜門であるといえましょう。